村上 孝一/アナリストの目

2019ゴールドマーケット拾い読み・7
2019/09/17 15:34:14

『中東情勢が緊迫化、サウジの石油関連施設攻撃で』
 サウジアラビアのペルシャ湾に近い東部アブカイクなどにある国営石油会社サウジアラムコの施設2カ所が14日未明(日本時間同日午前)、無人機による攻撃を受けた。イエメン反政府武装組織フーシ派が「無人機で実行した」と主張、事実ならフーシ派によるサウジ重要インフラへの過去最大規模の攻撃。
 ただ、標的となった石油施設はイエメンから1000キロ以上離れており、ポンペオ米国務長官は「イエメンからの攻撃という証拠はない」と述べたうえ、イエメン内戦に軍事介入するサウジ主導の連合軍報道官も16日、イエメンからの攻撃を否定し、攻撃に使われた武器はイラン製だったとする予備調査結果を明らかにした。また、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ、電子版)は14日、サウジと対立するイランかイラクから巡航ミサイルが発射された可能性について米サウジ両当局者が調査していると伝えた。一方、イラン外務省報道官は16日、「イランが関与したとする批判は根拠がない」と改めて攻撃への関わりを否定した。
 トランプ米大統領は16日、サウジ攻撃の背後に「イランがいるとみられる」と指摘。ポンペオ国務長官らをサウジに派遣し対応を協議すると明らかにした。このサウジの石油施設攻撃が米国とイランの関係が一層緊迫化する状況に向かうようだと、中東情勢の地政学的リスクも一段と高まることが予想される。

『19日に米中次官級貿易協議』
 米通商代表部(USTR)は16日、米中両国が19日からワシントンで次官級の貿易協議を開くと明らかにした。
 10月初旬にワシントンで予定される閣僚級協議に向け、中国が中断している米農産物の輸入再開などを中心に意見を交わす。トランプ米政権が対中制裁関税の税率引き上げを先送りすると表明し、中国は米農産品の新規購入に動くなど歩み寄りをみせている。ただ、米議会や産業界には安易な妥協に慎重な意見が根強く、先行きは予断を許さない。

『今週の金相場、米FOMCが最大の焦点』
 サウジアラビアの石油関連施設攻撃による中東情勢や米中貿易協議の行方が注目されるが、今週の最大の焦点は米連邦準備制度理事会(FRB)が17〜18日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)。
 米中貿易摩擦の激化で不確実性が払しょくできない中、パウエル米FRB議長が6日の講演で、「景気拡大の維持へ適切に行動する」と発言、市場の利下げ観測を追認したことで、追加利下げが確実視されており、利下げ幅については0.25%の予想が大勢を占めている。
 市場では追加利下げが確実視されていることから、利下げ路線を継続する方向性を示すかが焦点で、米FOMC後に公表される参加者17人の金利・経済見通し(ドットチャート)と、パウエル議長の会見が注目される。
 東京商品取引所の金相場は、米FOMC結果で利下げ路線を継続する手掛かりが得られた場合、ドル建てで取引されるNY金がドル安による割安感から買われるうえ、金利の付かない資産である金にとっては支援材料となるため、先限は9月5日に付けた上場来高値5304円を試しに行く展開が予想される。一方、米FOMC結果で利下げ路線継続の手掛かりを得られなかった場合は売りが先行することが予想されるものの、市場に利下げ打ち止め感が広がるような結果とならない限り、5000円の大台を割り込むような相場展開となる可能性は低い。また、米中貿易摩擦による世界経済の減速懸念に加え、前述の中東情勢が金相場を支える材料となれば、安値は買い拾われるだろう。

●アナリスト紹介
 第一商品(株)フューチャーズ24、村上 孝一
 現在、フューチャーズ24にて、ファンダメンタルズ分析と市況作成を担当。時事通信社、日本経済新聞社に貴金属・石油市況等のコメントを提供中。「商品アナリスト(貴金属)・東京商品取引所認定」を取得。

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