上野 隆/アナリストの目

NY原油、50ドル割れを窺うか
2019/10/09 15:27:46

 ニューヨーク原油(WTI)相場は、9月16日に1バレル=63.38ドルまで急伸した後は、ほぼ右肩下がりのチャートを描いている。サウジアラビアの石油関連施設が攻撃を受け、同国の産油量が落ち込むとの観測が相場を押し上げたが、9月末までに生産水準が回復。一部ではサウジアラビアとイエメンの間で部分的な停戦が合意されたと報じられたため、中東の地政学的リスクが後退した。その一方で、弱気の米経済指標が続き、米国の景気後退(リセッション)懸念が台頭。英国のジョンソン首相が欧州連合(EU)から合意なき離脱も辞さないとの姿勢を改めて示していることで、欧州経済の先行き不透明感も、エネルギー需要の落ち込みを想起される格好となり、NY原油相場は、10月3日に50.99ドルまで下落した。

 米国家経済会議(NEC)のクドロー委員長が、中国との貿易協議に関して「いくつかの追加的な進展の可能性がある」と発言したことで、10日から予定されている米中閣僚級協議への期待が強まり、7日に54ドル台を回復する場面がみられたものの、米商務省が、中国が少数民族ウイグル族らを弾圧しているとして、中国の監視カメラ大手など28団体・企業への輸出禁止を発表。中国側はこれを「内政干渉」と強く批判したため、貿易協議への楽観的な見方は後退している。また、米石油協会(API)が発表した米原油在庫は、前週比410万バレル増と市場予想(140万バレル増)を上回る積み増しとなったことに加え、米エネルギー情報局(EIA)が月報で、2019年の米原油生産が過去最高を更新するとの見通しを示したため、足元の供給過剰への警戒感が再燃している。

 イラクやエクアドルで反政府デモが続き、原油供給に混乱が生じるとの警戒感が下支え要因となるものの、ニューヨーク原油(WTI)相場は弱含みで推移する公算が大きいとみている。米中通商協議が低調に終わるようであれば、3日安値を下抜け、50ドル割れを試す可能性もありそうだ。

●アナリスト紹介
 第一商品(株)フューチャーズ24、上野 隆
 現在、フューチャーズ24にて、FAX・メール情報に掲載する市況作成等を担当。広範な知識に基づいた情報分析や、テクニカルを駆使した商品分析を得意とする。「商品アナリスト(貴金属)・東京商品取引所認定」、「商品アナリスト(オプション)・東京商品取引所認定」を取得。2016年TOCOM石油アナリスト育成セミナー修了者。

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