村上 孝一/アナリストの目

NY金、リスク選好の動きが重しに
2019/11/29 16:40:25

 ニューヨーク商品取引所の金相場は米中貿易協議の進展期待を背景としたリスク選好の流れが継続し、弱地合いとなっている。ただ、米中貿易協議の不透明感が燻り続けていることが下支え要因となり、中心限月の継続足で11月12日に付けた直近安値1446.20ドルは維持している。

 ニューヨーク株式市場は、米中貿易協議の進展期待を背景とした買いに上昇。ダウ工業株30種平均は11月25日に終値で5営業日ぶりに史上最高値を更新した後、3営業日連続で史上最高値を更新。市場では米中貿易協議の先行きに楽観的な見方が広がっている。しかし、トランプ米大統領が27日、香港の自治と人権の擁護を目的とする「香港人権・民主主義法案」に署名したことで、貿易協議に悪影響が及ぶ可能性も出てきた。
 米中貿易協議は「第1段階の合意」に向けた調整が大詰めを迎える中、12月15日に予定される米国の対中国追加関税第4弾の全面的な発動を回避できるかが焦点。中国は期限までに関税見送りの確約を得たい考えとみられ、閣僚級の対面協議の早期開催を要求している。ただ、中国外務省の耿爽副報道局長は28日、米国で「香港人権・民主主義法」が成立したことに対し「中国は強力な措置を取り、断固として報復するだろう」と表明しており、中国側の対応次第では協議が行き詰まる恐れもある。

 米株式市場では米中貿易協議の先行きに対し楽観的な見方が広がっているが、前述のように「香港人権・民主主義法案」成立で米中対立が激化し貿易協議の先行きに不透明感が強まる可能性が出てきた。米国による12月15日の対中第4弾制裁関税発動が迫る中、「第1段階」の最終合意に手間取る状況が続くようだと、米株式市場に広がっている楽観的な見方が後退し、リスク選好の動きも弱まることが予想される。
 NY金は米中貿易協議の先行き不透明感が燻り続ける状況が続けば、12日の直近安値付近では買い拾われるとみており、12月15日の対中制裁関税第4弾が発動される可能性が出てくるようだと、100日移動平均線(11月27日現在:1488ドル付近)を突破し、1500ドルの節目を試しに行く展開が予想される。

 また、来週は米経済指標も注目材料。12月2日に11月の米ISM製造業景況指数、12月4日に11月のADP全米雇用報告・民間就業者数と11月の米ISM非製造業景況指数、12月6日に11月の米雇用統計の発表が予定されている。最近発表された経済指標が概ね良好な内容となっており、来週発表される指標でもこの傾向が続くようだと、NY金にとっては売り材料になることが懸念される。

 (注)上記の展望は11月29日夕方時点に作成されたものです。

●アナリスト紹介 第一商品(株)フューチャーズ24、村上 孝一
 現在、フューチャーズ24にて、ファンダメンタルズ分析と市況作成を担当。時事通信社、日本経済新聞社に貴金属・石油市況等のコメントを提供中。「商品アナリスト(貴金属)・東京商品取引所認定」を取得。

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